人事歴15年以上、転職5回以上のもしけです。
今回は、人事の必要なスキルについてです。
- 将来的に、人事でキャリアを積んでいきたいと考えている方
- 人事でキャリアアップする為の、必要なスキルが知りたい方
- 実際に人事として働いていて、今後どう成長していけばよいか悩んでいる方
仕事はルーティン業務と非ルーティン業務にわけられます。
人事も例外なくその2つに分けることができます。
そしてルーティン業務だけで日々追われて、そのまま何年も過ごす。
これ、実は危険です。
人事は下記ポイントが、大事な大事なスキルになってきます。
ルーティン業務はそこそこにして、非ルーティン業務のPDCAで場数をこなし、顧客のニーズを仕入れる事。
詳細説明してまいります。
最後までお付き合いくださいませ。
人事業務のルーティンと非ルーティンの区別
では改めて人事業務のルーティン業務と非ルーティン業務というと、どんな業務があるでしょうか?
分けてみましょう。
先ずはルーティン業務からです。(あくまで代表的なものです。)
ジャンル | 業務名 | 内容 |
労務 | 給与計算 |
その名の通り、従業員の給与計算業務 月に一回、同じ時期に業務を行います。 |
労務 | 労働保険等(社保、雇用)業務 |
会社で社保に入っていたら、従業員が入社退社する度に手続き発生。 従業員が怪我や病気で休んだりした時等の給付手続きもします。 ※頻度は月に2・3回くらい |
採用 | 採用選考業務(書類選考〜面接設定等) |
会社で人を募集している時に発生。 提出してもらった履歴書・職務経歴書を見て、合格ならば、面接に来てもらい、面接を設定する。 |
採用 | 選考者の窓口対応 |
会社の採用選考を受けてくれた人への窓口対応業務。 合格・不合格対応等、コミュニケーションも取ります。 |
採用 | 媒体掲載(既存対応) |
人を募集する時の募集記事や広告の掲載対応業務。 いつも安定的に応募者を集められるチャネルがあれば、そこで内容を更新して掲載する等、簡易的な対応をします。 |
ルーティン業務は仕組み化・効率化できるもの
上記に分類したルーティン業務のごく一部ですが、どれも共通している事としては、
- 繰り返し発生する業務である。
- 業務の流れ(順番)や注意する要点が決まっている。
ですね。
なので、マニュアル化したりすれば、他の人に手伝ってもらえたりする事ができます。
非ルーティン業務は、ルーティン業務のイレギュラー対応や新しい仕組みを考えるもの

では、一方非ルーティン業務と言われるものは、どのようなものがあるでしょうか。
同じジャンルと業務で考えてみました。
ジャンル | 業務名 | 内容 |
労務 |
給与計算・労働保険業務のアウトソーシング化 |
労務業務のコスト削減・効率化の為、人事労務アウトソーシング会社を選定し、相見積もりを取り、業務委託先を選定。 数度の打ち合わせと、労務業務の並行稼働を経て、業務のアウトソーシングを実現する。 |
採用 |
採用選考プロセスを分析 弱点を克服、あるいは数値の向上を実践。 |
応募から書類選考、面接、内定、入社までの各フェーズを数値化し、弱点になっている箇所、あるいは向上したい目標数値=KPIを定めて、その為の施策PDCAを回す。 |
ルーティン業務があるから、非ルーティン業務の気づきが生まれる(大事)
上記で説明した通り、ルーティン業務と非ルーティン業務はジャンルが同じでも内容が全く事なります。
ルーティン業務はオペレーション、非ルーティン業務は企画的な要素が強いものが多いです。
ただ、誤解のないように言っておくと、ルーティン業務は大した事なくて、非ルーティン業務が大事ですごいという事が言いたいのではないです。
ルーティン業務をキッチリできていないと、問題が明確に出てこない。
課題解決の為の案、つまり非ルーティン業務のネタが出てこないのです。
ちゃんとルーティン業務ができているから、非ルーティン業務の対応ができる。
これは紛れもない事実です。
ルーティン業務の罠

ただし、ここで注意が必要です。
ルーティン業務は、時間と工数がかかって、繰り返し行うものが多いです。
つまり変化をしないもの、もしくは変化を求めない性質の業務です。
コレが人間元来の本能である
”変化を求めない生き物” に相性がピッタリなのです。
慣れてくると、どこまでもやり込んでしまうようになります。
ボリュームが増えていくとルーティン業務だけで時間が終わる
会社が大きく慣れば、ルーティン業務量も比例して増えていきます。
最初は30名くらいの規模の給与計算で楽勝だと思っていたのに、
従業員が10倍の300名になるとどうでしょう?
採用数も月1,2名採用するくらいだったのに、ある日
年間100名採用を実施する計画を打ち出す事になったらどうでしょう?
量をこなしていると、仕事をやった気になってしまう
300名分の給与計算を一人で間違えなくやる。
100名採用をする為に10,000名の応募書類に目を通す。
これは大変な事ですし、大事な事です。
ただし、私自身が経験した事を伝えます。
仕組みの効率化等を考えずに、従業員30名の会社規模のままのノリで10倍のルーティンをやろうとすると、始発から終電まで毎日、その仕事だけやる事になります。
自分的には達成感はありますが、残業代が増えてしまう、健康面での労務リスクなど、会社としては悪い面と捉えられてしまいます。
非ルーティン業務を自分で作りに行けて初めて一人前
なので、ルーティン業務に潰されないようにする為には、事前に非ルーティン業務を見据えて仕事をする必要があります。
以下はアウトソーシングを、検討するようになるまでのプロセスです。
- この仕事って人の手の介入多いな
- 会社の規模が大きくなったら業務量が比例して大きくなるな
- 今のうちにマニュアル整備して、人が配置できるようにしておく必要あるな
- 人が配置できるようになったとしても、さらに会社の規模が大きくなったら、人を増やさないと対応できなくなってしまうな
- よし!アウトソーシングを検討・提案しよう。
非ルーティン業務のPDCAは立派なポータブル・スキルである
上記のプロセスを踏み、企画書を作成し、承認を経て実際に動く事。
この非ルーティン業務は、”制度企画に必要なPDCAサイクルスキル”になり、これができるようになると人事のポータブルスキルになります。
職務経歴書でアピールできるポイントになります!
PDCAサイクルができるような体制を作ろう

ただ、このPDCAサイクルは、最初の頃は結構労力と時間がかかって大変です。
ルーティン業務と違った頭の使い方をするからです。
じっくり考えながら、頭を整理してやる必要があります。
特に、普段のルーティン業務と非ルーティン業務を並行して実施するとなると、まぁ大変です。
頭ゴッチャゴチャになって中々思うように進められません。
なので、先にルーティン業務の効率化とマニュアル整備による業務分担はやっておいて、自分の体を開けておく必要があります。
PDCAサイクルはその後に実行しましょう。
顧客の悩みを聞き、解決する事に時間を使っていこう
PDCAサイクルは場数を踏むと、より洗練されスピーディーにできるようになります。
さらにアウトソーシング等、ルーティン業務の効率化が実現されると自分の時間も取れるようになります。
その為、ここで初めて時間が捻出できるようになりますので、時間を顧客である従業員とのコミュニケーションに使う事が、できるようになります。
従業員とのコミュニケーションでは、人事上の悩みや不安を聞くことができます。
その悩みや不安を解決する為に、身につけたPDCAサイクルを活用する事!
コレが人事の仕事です!!
※下記記事で人事の仕事を詳しく紹介してます。興味のある方は是非!
人事の仕事とはズバリ!コミュニケーションです!【人事キャリアアップ①】
人事の仕事を未経験で挑戦する方へ。知っておきたい理想とのギャップ
この人事の仕事を通じて、社内にある様々な課題を解決していく
結果皆から頼られ、より大きな仕事依頼につながる。
会社の中で、一歩上のステージに進むことができるわけです。
是非このスキルを伸ばしていきましょう!
まとめ:人事じゃなければできない仕事を増やしていこう
今回のまとめです。
- 仕事はルーティン業務と非ルーティン業務に分けられる
- ルーティン業務は同じことを繰り返し、手順や注意どころが決まっており、効率化や分業化しやすいものである。
- 早い段階で効率化・分業化を進めておかないと、ルーティン業務に追われて過ごす毎日となる
- ルーティン業務に追われているだけだと人事に必要なスキルも身につかないし、評価もされない(切ない)。
- なので非ルーティン業務を早い段階から意識してやる必要がある。
- 非ルーティン業務で身に付けたPDCAサイクル業務は、人事で必要なポータブルスキルである。
- PDCAスキルはどこに行っても使える汎用性に優れたスキルなので身に付けておく事
- 非ルーティン業務で作った時間を使って、他の従業員と話して、人事のニーズを探して、解決策を練ろう。これが人事のメインの仕事である。
ルーティン業務は、あなたじゃなくてもできる業務です。
だからアウトソーシングという商売があります。
【人事のスキルアップポイント!】表面知識を取得しニオイを感じ取れ!でも紹介した通り、顧客のために日々変化していくニーズを察知する為に、従業員と話して接する事。
これは人事のあなたしかできないことです。
是非このことに時間を割いていってくださいね。
以上になります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!