人事として15年以上やってきて、そこそこベテラン。
転職も40歳で5回以上、こっちもそこそこベテランのもしけです。
今回は人事をする上での「姿勢・心構え」的な事です。
ズバリ!
人事はミスしないのが当たり前、だからミス発生の準備をしよう
という事です。
そう思われた方、説明させてください。
人事は、ミスが許されない仕事だけどミスは起きます。
正確に言うと、ミスを誘発しやすい場面が多い仕事です。
なので事前準備と心を作っておく事が大事になります。
- これから人事を目指していきたい方
- 既に人事として働いてて知見広げて成長したいと考える上昇志向の方
順を追って説明していきますので、最後までお付き合いくださいませ。
人事はミスしやすい仕事が多い
何故、人事はミスしやすい仕事が多いのでしょうか。
それは、相手が生きているヒトであるからです。
定めた会社のルールが当てはまらなくなる事が頻発する為です。
経理や法務などの職種は基本不変的
経理や法務等は、会計基準や民法・会社法を中心とした法やルールで成立した業務がメインであります。
もちろん、法改正など見直しが入りますがベースはそこまで変わらないです。
その不変的なルールをどこまで効率的に・間違えなく正確にできるか。
会社を社会のルール通りに運営できるかを、支える大事なお仕事です。
給与計算は従業員数が増えれば増えるほどミスリスク上昇
一方人事の仕事で、給与計算業務があります。
こちらも経理などと同じくミスが許されない仕事としての代表格です。
なので、給与計算も同様に間違えないように不変的なルールと仕組みを作って、ルーティン化する事を行います。
ですが、ここから問題が発生します。
- 新しく中途入社した部長待遇のAさん、当社の給与テーブルだと上限超えるから、別枠で手当作って対応して
- 国税庁から今年中途で入ったBさんに住民税滞納があるから、給与計算差し押さえの依頼があったから処理して
- 課長と係長の間に、チームリーダーっていう管理職育成の為の役職作るから、役職手当支給して
このように、経営陣や個人だけでなく、役所からも給与で個別対応の依頼を受けるケースが多発します。
その為、通常の給与計算処理を行うと同時に、上記のようなイレギュラーケースの処理とチェックを同時に行う為、
正確性を担保したルーティンワークのノウハウから外れた処理をする事になり、ミスする原因になりがちです。
採用は内定者とのコミュニケーションでのすれ違いリスクが多い
給与計算以外では、採用業務もミスを誘発しやすいです。
例えば下記のようなケースです。
- 住宅手当の支給対象って求人票に書いていたのに、内定もらって要件確認したら対象外になってた
- 内定面談で賞与が出るって聞いてたのに、初年度は支給対象外って言われた。
など、主にコミュニケーションの齟齬(そご:すれ違い)が多いです。
ヒトの人生100人いれば100通り
会社はルールで日々の運営を進めます。
個人一人ひとりの都合や言い分を聞きながらルールを変えたり、イレギュラー処理をする事はできません。
出来ないのですが、日々入社するヒトの人生は、100人いれば100通り。
ルールを守る事は皆しますが、皆少しずつ合わせきれないものが出てきて、人数が増えると、ルールの方を変えざる得ない場面が出てくる。
それが必然的に起こって、その対応もするのも人事の仕事です。
実務が細分化しやすい
なので、折角一本の線でルーティンワークができるように構築したマニュアルやフローが、どんどん枝分かれしていって、どんどんイレギュラー対応が発生していきます。
結果、だれでも仕事がわかるように取り組みやすいように作ったマニュアルが複雑化していきます。
顧客である従業員は、ミスがない事は当たり前だと思っている
マニュアルが複雑化するという事は、仕事の習熟具合。
つまり、業務をやる人のスキルレベルが必要になってきます。
給与計算何年もやってきてミスしやすいポイントや勘所に気付ける人。
採用業務を何年もやってきて、どういうところがコミュニケーションミスが発生しやすいかをわかっている人。
このように熟練スキルを持った人でない限り、ミスが出てしまいます。
そのような綱渡りで仕事をしているのに、給与を支払ってもらう側や、人を受け入れる側などは、それが当たり前だと思っていて、さらにイレギュラーの対応を要求をしてくる。
この危険な繰り返しが発生するわけです。
ミスが起きたら大変

そしていざミスが発生し、それが発覚したらもう大変です!
そのような声が飛んできます!
ミスした時のリカバリー手法と自分の心構えを作る事
人事はミスが許されない仕事、
人の給与や採用等、人生に関わる事が多く、ミスがあるとその人の人生に影響が出てしまう。
という事をもちろん自覚して、みんな仕事をしています。
していますが、どうしてもミスは起こってしまいます。
ミスは絶対に起きるものと思っておく
この事を決意して、業務を改善して、何度もチェックして仕事に取り組む。
すごく良い事ですし、立派です。
なのですが、それでもミスが起きてしまう。
これは非常に気持ち的にしんどいです。
なので私のオススメは
ミスを起こさない仕組みを整える時間と手間以上に、ミスが起こった時の事前準備を整備して置く事です。
ミスが起きた時のテンプレートを作っておく
繰り返しになりますが、人事はミスが絶対に許されない仕事!!
その言葉通りに、ミスを絶対にしない仕組みやフロー構築を作る事は良い事です。
ですが、たとえ構築しても、人のイレギュラー対応で、その仕組を変えたり補足したりする場面は絶対に出てきます!
ミスが許されないけど、ガチガチにルール固めができない仕事
それが人事です。
なので、ミスしない仕組みを作り切る事に資源を使いすぎるのは消耗してしまいます。
なので、私はミスした時用の対応する為のテンプレートとして、チェックリストを準備しております。
といっても小難しいものでなくて
- ミスの内容
- 相手は?
- 何でミスが起きた
- 相手への対応方法は?
- 今後の為の改善は?
この⑤点を実施するだけです。
一つ最大の注意ポイントは、できるだけ早く対応する事です。
いざミスが発生した時の顧客対応が大事!

ミスした後は、ショックです。
そして、ミスを与えてしまった相手は怒っていたり、不安に思っていたり等で感情的です。
ショックを受けた自分のまま、感情的な相手に話に行かなければ行けないと思うと、腰が重くなります。
ヘタすると、2・3日過ぎてしまったりします。
これは逆です。
ショックを受けた感傷的な自分をもったまま、先ずは相手にお詫びと言い分を聞きにいく事を一番最初にします。
それもなるべく対面で、どうしても距離が遠くて、すぐ会えないなら、電話やZOOM等WEB面談ツールでも良いです。
とにかく相手を不安にさせてしまった事に対してお詫びをし、話を聴きに行く。
この事を素早くすることで、相手が安心できます。
人事の顧客は従業員であります。
言ってみればこれは、お客様の(正当な)クレーム対応です。
クレームに時間を費やしたり、後回しにしたりすると余計に状況が悪化します。
なので、先ずは安心してもらう事、ここが大事になります。
お客様対応が完了したら、ミスの原因とその後の対応策を考え、上司に報告する。
この場合の上司報告は事後で問題ないです。
お客様対応を優先して行っていたと話をして、理解してもらった情報を共有すれば大丈夫です。
まとめ:例えミスが起きてもブレない準備をしよう
今回のまとめです。
- 人事はミスが許されない仕事であるが、ヒト関連の仕事である人事は、ルールに当てはめづらいイレギュラーが多い
- その為、ミス防止の為にルールやフローを明確に作った後でもルールを曲げて対応する機会が多い
- その為、ミスが避けきれなく、お客様である従業員のクレームをもらう事になる。
- ミスが怒らないように仕組みを改善する事以上に、ミスが起きた時に、いかに早く顧客と接してリカバリーをするかが最も大事
誤解のないように念の為、言っておくとミスをしても良いと開き直る事をしましょうといっているわけではないです。
ミスしたとしても、人事にとって従業員はお客様になる事は間違い無いです。
正しいクレーム対応は、より強固な顧客となるのが世の常です。
お客様との関係性を強くする為にリカバリーを意識して事前準備をしておきましょう。
※人事=コミュニケーションの大事さは下記記事でも紹介させていただいてます。
人事の仕事とはズバリ!コミュニケーションです!【人事キャリアアップ①】
以上になります。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました!