転職しながら人事の引き出しを広げてきた、もしけです。
今回は人事制度説明会の話です。
みんなの為に作った制度。
せっかくだったら喜んでもらいたい、大いに活用してもらいたいと思いますよね?
ただ、実際に活用してもらうにはコツが必要です。
そのコツが人事制度説明会をやる事です。
しかも人事制度説明会は、順番があります。
人事制度説明会をこの順番通りにやらないと、導入した人事制度が機能に時間がかかります。
最悪、苦労して作った人事制度自体が、頓挫する可能性もあります。
私が実際に人事制度を構築した後、実施した人事制度説明会のコツをシェアします。
※人事制度の構築の仕方に興味がある方は以下をご参考ください。
人事制度を作る時の順番紹介。一番最初はコンセプト設定しかないって話! |
最後までお付き合いください。
人事制度説明会は絶対に必要!
繰り返しになりますが、人事制度説明会は絶対に開催した方がよいです。
中には説明しなくても当社は、トップの求心力がすごいので右向け右で、できるから必要ない。
先ずは走らせてから欠点を補う形で良くない?
と思われる会社の方もいらっしゃるかもしれません。
が・・・、とんでもないです!!
説明会をやって、腹落ちしてもらわないと意味がない
例えば、福利厚生施策とかを導入するレベルのものなら説明会なんてしなくても、周知だけでもいいです。
が、人事制度は違います。
人事制度は、会社で人材の成長していく過程を仕組み化したものです。
大げさに言うと、会社の中での人生そのものに影響するものです。
それをキチンとした説明会をせずに導入するのはダメです。
導入できたとしても、その後すぐにワークしなくなって、見直すハメになるのがオチ。
なので、たとえ時間が、かかってもやりましょう。
説明会のステップは全部で5点

さて、しつこく説明会の必要性をお伝えしたところで、説明会までのステップを順番にお伝えします。
冒頭でもお話したとおり、ステップは全部5個あるのですが、これは順番にやる必要があります。
入れ替えたり、飛ばしたりしても意味がありません。
なぜなら組織の力を利用する必要があるからです。
具体的に説明していきますね。
ステップ1:人事制度のコンセプトをもう一度思い出す。
まず最初に人事制度を作った時のコンセプト。
つまり”目的”をもう一度思い出しましょう。
※コンセプトの重要性は、以下で説明してます。
人事制度を作る時の順番紹介。一番最初はコンセプト設定しかないって話!
人事制度を作る前はあれだけ考えていた事が、構築をしていく間に、作ることが目的になっていた。
いわゆる”目的の置換”で、忘れてしまっている可能性があります。
これをもう一度思い出しましょう。
コンセプト=社長のメッセージ
思い出すと言っても、言葉だけ思い出しても背景を忘れてしまってはダメです。
コンセプトを決めた時、一緒に社長はいましたよね?
です。
この社長メッセージを皆に伝える事。
これが人事制度説明会をやる最も大事な理由です。
もう一度社長にお時間をもらってコンセプトの話を確認しに行きましょう。
ステップ2:制度の伝えるポイントを整理する。
コンセプトの確認、背景の整理
そこから人事制度に加えたエッセンス等を確認したら、次はその伝える方法を整理します。
おそらく伝えたい事は山程あると思います。
が、1回1時間程度のプレゼンや数十枚のパワポだけで伝えられる事ってホント限られます。
なので、”この要点だけは絶対にみんなに伝える”というものを整理して置きます。
伝える側の認識合わせが超大事!
ここで一番のポイントは説明する人の認識ズレが生じない事です。
説明する人、人事制度を説明する側が社長と自分ひとりであるという場合は、必要ないです。
その場合は社長と膝付け合わせて語り合う。
また、あまりないとは思いますが、社長一人で制度説明をするなら、
とにかく内省して、伝えることを整理すれば良いです。
が、たいていは説明する側は3人〜4人はいます。
その人達の認識がズレると、信用問題になります。
なので繰り返しますが、これだけは皆どんな聞かれ方しても、同じ答えをするようにしよう!って決めておいてください。
ステップ3:先に管理職から説明会を行う
1〜2で事前の準備が完了したら、ステップ3でようやく実際の説明会に入ります。
ここでも注意点が一つあります。
それは、管理職。
つまり部長や課長(会社によってはゼネラルマネジャーやシニアマネジャーのように役職名は異なります)等。
いわゆるマネジメント職の方々です。
マネジメント職は制度運用を成功させる為のキーマン
このマネジメントを担っている人たちに
つまり、人事制度がマネジメントの”日常ツール”になるかで制度運用の成功率が大幅に変わります。
連結ピンの重要性
連結ピンという言葉をご存知でしょうか。
経営組織論にもある言葉なのですが、組織と組織をつなぐ”ハブ(中継地点)”的な役割を担うポジションです。
この”中継ぎ”が連結ピンです。
たいてい連結ピンの役割は、マネジメント層に委ねられています。
先ずは、この管理職の皆様に重点的に説明を実施しましょう。
ステップ4:一般社員の説明会開催
管理職の説明会が完了しましたら、一番のボリュームゾーンになる一般職の方への説明会になります。
ここで注意する事は、
です。一般職は会社組織では一番の大人数です。
例えば100名規模の会社で、一般職向けに説明会を開催するとなると、まぁ8割は一般職でしょう。
この人達皆に、均等に同じ情報を伝えて理解してもらうのって結構大変です。
なので、”仕掛け”が必要になります。
ここで、ステップ3のプロセスが活きてくるのです。
影響力のあるマネジャーに説明会の同席をしてもらう

人事制度を導入する事は、社長が人材育成において実現したい事です。
”連結ピン”の役割であるマネジャーとしては、人事制度を導入する事が決まっているなら、いろんな機会や手段を使って、部下たちに理解をしてもらう必要があります。
そして、説明会の時に部下の理解を促す為に、マネジャーに途中で意見を言ってもらったり、質問をしてもらったりする事が大事です。
一般職にこう思ってもらう事が大事です。
不満や不安をマネジャーと一緒に潰す
そして、中には前向きな意見や質問だけでなく、不満等、ネガティブな意見も出てくると思います。
ネガティブ意見に真っ向から真摯に対応する事を、みんなの前で行う事。
そうする事で経営から人事、人事から管理職まで制度を落とし込んでいける。
組織の共通認識や制度への理解を作り込んでいけるのです。
ステップ5:個別対応は時間がかかってもやる(アフター)
ステップ4までを終えて、ようやく人事制度を全従業員へ説明する事ができました。
が、まだ終わりではないです。
先程、説明会の際に質問や、不満や不安への意見等に回答していきましたが、これでは足りないです。
意見や、質問したいこと等は、制度説明会が終わってからの方がはるかに多いです。
なので、説明会からしばらくは、アンテナを貼っておきましょう。
具体的には下記の通りです。
- 昼食事をする時などは皆が食事するところに顔を出す
- マネジャー会議に参加させてもらう
- 制度質問コーナーを作る(チャットツールや専用MLなど)
まとめ:”伝える”を”伝わる”に変える
今回の内容をまとめます。
- 制度説明会は絶対にやったほうが良い
- 人事制度は社長の人材育成のメッセージ
- 説明が不十分なままだと運用までいかない
- 説明会の準備は社長→人事→管理職→一般職の順番で確認しながら説明していく
- 説明会が終わった後も情報を吸い上げる仕組み仕掛けをしておく
人事制度説明会というくらいなので、人に伝える事をするのですが、
コレが中々難しいです。
よくいいますよね
”伝わる”じゃなく”伝えた”だけじゃダメって。
社長が、会社の人材の為に作った大事な大事な、人材育成の為の制度です。
思いがこもってます。
その思いを”伝えた”だけにするのはあまりにもったいないです。
”伝わる”にするにはどうすれば良いのか。
その仕掛け、つまり”コミュニケーションの場”をどうつくるかを追求する事が、成功の鍵です。
手間はかかりますが、そのかけた手間の分だけ効果は得られます。
是非試してみてください。
以上になります。
最後までお付き合いくださりありがとうございました!