※この記事は、これから、障がい者採用を検討される。もしくは一旦見直しを計画なさってる人事担当者の方にお役に立てる記事です。
こんにちは!もしけです!
今回は障がい者採用・障がい者雇用(以下障がい者採用)を実際に進める上でのチェックポイントをご紹介します。
私の実施した障がい者採用は、飲食チェーン店での清掃のお仕事と現在の冠婚葬祭業の備品倉庫の軽作業&メンテナンスのお仕事でして、主にサービス業での採用経験がメインで、障がい者の方の障がい者区分は知的と精神になります。
目次
障がいの特徴を知る。
厚生労働省が認定している障がい者区分は【身体】【知的】【精神】、主にこの三区分で【三障がい】と総称されています。
それぞれ厚生労働省が定めた指標を元に、障がい者の区分とレベル(障害等級といいます)を決めます。
身体障がいは、日常生活をする上で、体の一部分にハンデキャップを背負っている方であり、日常生活をする上での支障レベルに応じて、障がい者認定を受けている方の事をいいます。
知的障がいは、指標がいわゆる「IQ 」です(厳密に言うと、適応機能と併せて判定ですが、ここでは割愛させていただきます。)成人の知能指数の平均が100なのですが、75未満から、社会適応でハンデキャップを背負っていると認定を受けている方の事をいいます。
精神障がいは、厚生労働省が認定する基準は、大きく二つになっていて、うつ病や適用障害など、お医者さんにかかる病気になっているという事が一つ目で、その病気が、継続的になり、その影響で日常生活や問題を抱える状態であるという事。
医療的&福祉的という両側面からハンディキャップを背負っていると認定を受けている方の事をいいます。
先天的(生まれ持った)に精神障がいをお持ちの方もいらっしゃいますが、後天的(日常生活のトラブルや事故など)で精神障がいになられる方もいらっしゃいますので、元々、社会人として働いてきた方も多くいらっしゃいます。
障がい者の特徴、得意分野を知る。
身体障がいの方は障がい部位によって異なるのですが、ご自身のハンデキャップを補完する為、一分野に関して、物凄い努力をされてきた方が多く、経理やデザイナー職、エンジニアの方等、デスクワークを中心とした専門職に特化された方が多いです。
知的障がいの方は、物事を複数同時に判断して、行動する事は苦手ですが、1つの事を任された時の集中力とこだわりは、物凄いです。
私は以前、一緒にお掃除の仕事をしてましたが、掃除のクオリティーが私より断然上!感動するくらい綺麗にしてくれました。
その代わり、お仕事をやっている最中に他のお願い事や指示を出したりすると、途端にスピード、クオリティーが落ちたりしてしまいます。したがって、単一的(ずっと同じ事をやることを求められる)なお仕事、業務をお任せすると非常に活躍をしてくださいます。
精神障がいの方は、前述の通り、後天的な方も多くいらっしゃっいます。なので、社会人としてご就業されていた知識・経験値をお持ちの方が多く、うつ病などはそもそも優秀であったからこそ、頑張り過ぎてしまってから、うつ病になってしまったわけなので、それなりに難易度の高い仕事などもお任せする事が、できます。
ただ、ご本人にとっては、周りの健常者(障がい者でない人)にとっては、精神的に負荷がかからない事でも、ものすごいストレスや負荷が、例外なくかかっています。なので、業務量やペース、就業時間、お休みなどは本人と相談しながら決める等、配慮が必要です。
障がい者採用の準備として自社の業務を知り、分ける。
障がいの種類や、障がい毎の特徴を理解したら、次は自分の事、つまり自分の会社の事です。
障がい者採用をするからには、その方達にお任せする予定の、お仕事をキチンと決めておく必要があります。
ここで、最も注意しておかなければいけないポイントは、現在組織内でやっているお仕事を、そのままお任せしたい仕事として募集をしてしまう事です。
業務を分解しよう
自分たちが当たり前にやっている仕事が、障がい者の人達にとっては、当たり前でない事が多いです。一つ一つのお仕事をキチンと分解して、どのような要素でできているかを把握します。 下記のように【?】で考えていくとやりやすいですよ。
・何部署あるのか?
・人手が足りないのはどの部署か?
・その部署のお仕事はどんな内容なのか?
・そのお仕事は、どのような手順で進めるのか? みたいな感じです。
多少面倒くさいかもしれませんが、障がい者採用を実現する事は、人事だけでなく、他部署の協力が絶対に必要になります。
会社で障がい者採用を実施する事で、業務量が分散でき、一人ひとりの負荷が減るなど、メリットの部分がある事を伝える時にも、この準備は非常に大事ですので、必ずやりましょう!
障がい者の得意分野と業務のマッチングをする。
3の業務把握と、業務分解を完了したら、次は2で理解した障がい特徴と業務の適正を見定めます。
例えば、営業事務のお仕事があったとしまして、先程業務分解をしてみた結果、
【電話応対】【データ入力】【ファイリング】【営業見積もり書作成】【売上集計し経理に報告】【掃除】などなど・・・、数十種類のカテゴリが出てきたとします。
その中で、組み合わせを行うわけです。
【掃除】と【ファイリング】だけですと、ある程度【型】が決まっていて、お仕事もそんなに複雑ではないので、知的障がい者の方に合いそうだなっていう、ターゲットが決まってきます。
現在の業務を切り出してお任せしたい仕事を創る(職務創出)
4の組合せとターゲットの障がい区分が決まったら、いよいよ、お仕事を組み合わせて1日の流れを作ります。
これを職務創出と言って、障がい者採用の為に、一人ひとりにあわせたお仕事をハンドメイドしていきます。
といっても、初めて創る時は「1日何時間くらいかかりそうな仕事」と「○○障がいに合う」っていうざっくりとした目安想定レベルで良いです。ここをカッチリ固めすぎると、融通が効かなくなります。
障がい等級はあくまで、障がい者数全体で指標化したものなので、必ず、万人に適応できるお仕事とは限りません(健常者でもそうですけどね)。
入社が決まって、働いてみて本人と相談しながら柔軟にブラッシュアップしていくのが丁度良いくらいです。
いざ入社が決まって朝と夕方に一時間みっちり【掃除】その間に資料の【ファイリング】プラス今までできていなかった、【ファイリングにインデックスを全部つける】
これで1日六時間のお仕事。【営業事務サポート(障がい者の方対象)】という職種がてぎあがるわけです。
求人票を作成し、ハローワークに相談する。
後は、ハローワークにいって求人票をアップ依頼をかけるのですが、合わせてやっておきたい事があります。
ハローワーク内には、障がい者採用を促進する別の課が、求人票を出す場所と別にあります。
こちらに名刺を渡しに行って、障がい者採用を始める事を挨拶がてらお話しましょう。
雇用指導官といわれる、企業の障がい者採用を促進&啓蒙(応援)してくれる担当の方がいるので、色々サポートしてくれますよ。